漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

江東中医薬学院

月1回 中医学の講座(基礎・中薬)をしています。

国際中医師試験解説(中薬学)40

[補陰薬] ①滋陰 ②潤燥 ③清熱 問277 北沙参と南沙参の共通する効能はどれか? A 清肺腎熱 B 清心肺熱 C 養肺胃陰 D 補肝腎陰 E 益心肝陰 [解答]C 北沙参は日本では浜防風を指し、沙参は南沙参を指す。 作用は北沙参のほうがわずかに強い。南沙参には補…

日本最古の売薬(OTC)

西大寺豊心丹(ほうしんたん) 1240年(仁治元年)に疫病が流行り四条天皇は西大寺の興正菩薩に命じて疫病退散を祈願させました。鎌倉時代ですが、まだ医薬より先にご祈祷ということであったのですね。そして三、七、二十一日目の満願の日にご神託により…

髪は血の余り

髪は血の余り 中医学の望診では頭髪を観察して体全体の状態を診断します。髪のことを「血余」と言い、血液の状態を推測することができるのですね。若い女性で血液不足だと、髪質は細く、抜けやすく、バサバサしています。若い男性で血液が熱いと、髪は濃く、…

過了臘八就是年 中国インフルエンザの予防の知恵

今年は25日が春節 農暦の正月です。中華圏では「過了臘八就是年」(農暦の12月8日(臘八)を過ぎたら新年)と言われています。ちょうどお釈迦様が悟りを開かれたのが臘八なので、この日には臘八粥を食べることについては前ブログで書きました。www.kame…

猫に冬虫夏草

冬虫夏草 知り合いの中医師の先生は猫が大好きで保護猫を3匹飼っています。黒猫は先天的に腎臓に病気があり冬虫夏草をエサに混ぜてあげているそうです。うちの猫も肺に腫瘍がり、いろいろ漢方を試そうとしたのですが、錠剤は避けてしまうし、顆粒はエサに混…

国際中医師試験解説(中薬学)39

[補血薬] 問269 養血滋陰、補精益髄の効能を有する薬はどれか? A 生地 B 熟地 C 当帰 D 生首烏 E 白芍 [解答]B 熟=酒で蒸す。 問270 優れた止血の効能を有する薬はどれか? A 何首烏 B 当帰 C 白芍 D 熟地 E 阿膠 [解答]E 阿膠は粘性がありバ…

新年食べ過ぎ注意。三仙人

あけましておめでとうございます 【LIVE】2020台北101跨年煙火秀お正月は「食べる」ことぐらいしかすることが無いせいかどうしても食べすぎてしまいます。結果として消化管の限界をオーバーしてしまい、「食滞」という状態になりお腹は張り便通も滞ります。…

漢方のお言葉 閉門留寇

カゼを引いたのですがいつもの漢方薬とカゼ薬一緒に飲んでもいいですか? よく聞かれる質問です。カゼの初期では汗をかかせることで邪気を追い出すという解表(発汗)法を使います。漢方薬は汗の腺を緩めて汗をかかせやすくさせます。麻黄湯、葛根湯、銀翹散…

冷え性の人のカゼ薬は葛根湯では非ず

陽虚感冒 昨日は身体が寒くて寒くて。くしゃみや鼻水が止まりませんでした。僕は麻黄を飲むと頭が冴えて眠れなくなるので葛根湯は飲みません。独活寄生湯を飲みます。独活寄生湯は風寒湿邪を取り去る作用があるので関節痛以外にも悪寒のあるカゼに応用できま…

生まれが中国ではない薬草

センナ センナはシルクロードから中国に入ってきて薬になりました。中国の名前は「番瀉葉(ばんしゃよう)」。「番」という字がついているのは外来種です。ちなみに番紅花というのはサフランのことです。センナは下剤として使われており、日本でも成分のセン…

認知症と中医学

認知症 昔、中医学の認知症治療についての講義を漢方メーカーに依頼されて、中国の中医病院での痴呆症治療の論文を調べたことがあります。基本的な方法はどの病院も「活血薬+補腎薬」でした。中医学では腎には精という生命エネルギー源が蓄えられており、精…

お釈迦様と粥。お粥は薬だ

臘八粥(臘月=12月) 臘八粥今の人は体力をつけようと栄養価のある物を食べがちですが栄養価の高いものを食べても消化管に負担がかかります。胃腸に負担がかからない粥がいいのです。粥は消化がいいだけではありません。それ自体が薬効があります。王昴は…

インフルエンザ対策で忘れがち(湿度)。

湿度 インフルエンザウィルスは寒冷乾燥を好み、高温多湿に弱いです。1961年にG・J・ハーパー氏が「温度20度以上、湿度50~60%で空気中での感染力が下がる」ことをつきとめました。学校環境基準では教室内での相対湿度は30%以上、80%以下であることが…

シルバーカー掴まっているおばあちゃん=上実下虚

シルバーカーってわかりますか?下のイラストみたいのです。よく見かけます足元がおぼつかなく、前のめりになりやすいおばあちゃん達には大変重宝な車だと思います。こうした状態を中医学では「上実下虚」と言います。足腰には力がなく、頭のほうが重くなっ…

冬至以降の体の養生。「一躱・二養・三補・四防」

今日はゆず湯にはいりました。おかげで体は温かいです。冬至は一年のうち最も日の当たる時間が短く、つまり陽が最も小さく陰が最大の日です。この日から陽は段々と大きくなるので「冬至一陽生」と言われています。言い換えれば、陽が新しくスタートする日(…

中医学的「ご臨終」

陰陽学説 生命の維持は陰陽のバランスの上に成り立っています。体を温めて活動的にしてくれる「陽」、オーバーヒートしないように冷却してくれる「陰」。朝は陽の気が上がり始め人は起きて活動を始め、夕方から陰気が上がり人は眠くなり休みます。逆に言えば…

漢方にも宗派があるのだ

徳川家康 家康は医学に詳しく「和剤局方」や「本草綱目」を読んでいます。江戸時代,医学薬学が栄えたのは家康が奨励したからでしょう。生薬の国産化にも力を入れ人参の国内栽培にも成功しています。江戸の初期には曲直瀬道三の「後世方」が幅をきかせます。…

ペットボトルのキャップが回せない フレイル

フレイル フレイルとは、わかりやすく言えば「加齢により心身が老い衰えた状態」のことです。公益財団法人 長寿科学振興財団のホームページを見てみましょう。www.tyojyu.or.jpフレイルは以下のように進行していきます。フレイルは日本語で「虚弱」と訳して…

ブログ漢方相談室 膀胱炎

膀胱湿熱 [本日のお悩み] 膀胱炎になってしまいました。すぐにトイレに行きたくなるのですが、尿はスッキリ出ません。また排尿痛があり尿道に灼熱感があります。尿の色は濃く黄色いです。相談者 女 20歳 学生 [お答え] 排尿障害で痛みを伴うものを中医…

ポカポカの季節

生姜 11月の膏方節では紅糖姜棗膏を作りました。黒糖、ナツメ、生姜の割合は基本、1:1:1です。普通 200㌘ずつ使います。この中で体を温めて冷えを散らす作用のあるのは生姜です。www.kameido-kanpo.com生姜いろいろ生姜はカゼの初期や胃が冷えて吐き…

予め言っときます。22日は冬至です。

冬至は陰陽の陰がマックスになる日です 自然界では陰陽がダイナミックに変化しています。春から夏は陽が大きくなり始め暖かさから暑さへと変わります。秋から冬は陰が大きくなり始め涼しさから寒さヘと変わります。陰陽の変化を表しています冬至が陰のマック…

漢方薬の取説

漢方薬の取説 よく健康雑誌の切り抜き持ってきて、ここの箇所が私に合っているって赤線引いてくるおばさんがいるのですが自分で合っているっていうのなら飲んでみたらと思います。こういう人は聞く耳持たないですから、アドバイスしても無駄ですね。みんなは…

秋梨膏の動画作りました

~秋冬の風の予防にお勧めの薬膳~「秋梨膏」の作り方粘膜強化でインフル対策

国際中医師試験解説(中薬学)38

[補陽薬] この節では補腎陽薬が主になる。 問261 補腎陽、益精血、強筋骨の効能がある薬はどれか? A 鹿茸 B 肉桂 C 附子 D 補骨脂 E 肉蓯蓉 [解答]A 動物性生薬には益精血作用有り。鹿茸は強筋骨もできるので 参茸補血丸は腰痛にも使える。 問262…

冬のおすすめ チョー簡単 紅糖姜棗膏

紅糖姜棗膏 寒さが厳しくなってきます。体がポカポカ暖かくなる薬膳を「方膏節」で作りました。[材料]ナツメ 250㌘ 鉄分が多く血液を増やします。生姜とともに胃腸の働きを整えます。生姜 250㌘ 血管や胃を温めます。冷えを寄せ付けずカゼの予防がで…

胃強脾弱(お腹は空くが食べるとお腹が苦しい)

胃強脾弱 明治になり西洋の文明が日本に続々と入って来たとき、日本の医学(漢方)と西洋医学(現代医学)の間ではバトルがありました。西洋医学に軍配が上がり、漢方医は衰退していくのですが原因の一つに「解剖学」があります。解体新書@杉田玄白西洋医学…

以形養形 物忘れに胡桃

以形養形 200年頃《神農本草経》収載の薬物は365種。 1578年《本草綱目》では1892種。 1999年《中華本草》では8980種。古代はどのような方法で薬の効能を決めていったのでしょうか?同じ形のものは同じ形のものを治すのではないか? 民間では胡桃(くるみ)…

雨いろいろ  邪気を避ける無根水(風水)

無根水 西遊記で孫悟空が朱紫国王の病気を治すエピソードがあります。脈診で国王を診断した孫悟空は「つがいの鳥が離れ離れになった証」と診断し大黄、巴豆、かまどの炭(百草霜)、馬の尿を原料とした丸薬を作るのでした。《西游记》(86版) 第20集 孙猴巧…

イチョウの季節でございます

イチョウの学名 イチョウの学名は、Ginkgo bilobaです。漢字で書けば銀杏です。読めばギンキョウです。この木の名前はなんというか?と江戸時代、訊かれて「イチョウ」と答えるのが恥ずかしくて「ギンキョウでござる」と答えてしまいそれがそのまま学名にな…

寒と熱

寒と熱 病気には寒象と熱象があり、それに対応して薬にも熱性と寒性があります。寒象の病気には熱性薬物、熱象の病気には寒性薬物を使います。もしこれを間違えると病気は悪化します。本日、講義中に鼻をくすんくすんやっている研修生がいました。舌を見てみ…