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中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

国際中医師試験解説(中薬学)12

清熱解毒薬]
 清熱解毒作用は他に発散風熱薬の牛蒡子、菊花、升麻、清熱瀉火薬の山梔子があるし、清熱燥湿薬は基本的に清熱解毒作用がある。
清熱解毒は熱毒に対して用いる清熱薬で、熱毒に関連する病証に対して用いる。主に瘡癰腫痛、痢疾、咽喉腫痛など温熱病に属するもの、熱毒の症状に類似する火傷、癌症などである。瘡癰腫痛は現代医学では細菌による化膿性感染で体表部にあるものを「外癰」(例 乳癰)、体内の部位に発生したものは「内癰」(肺癰、肝癰、腸癰)と称するが、これが清熱解毒薬の重要な主治証になる。

 清熱解毒薬はさらに作用により分類ができるので、グループ分けして理解すべし。
1 温熱病で用いられる清熱解毒薬:金銀花、連翹、板藍根、大青葉、貫衆
2 瘡癰に用いられる清熱解毒薬:魚腥草、蒲公英、紫花地丁、土茯苓、熊胆、野菊花、紅藤、敗醤草
3 咽喉腫痛に用いられる清熱解毒薬:山豆根、射干、馬勃
4 熱毒痢疾に用いられる清熱解毒薬:白頭翁、馬歯莧、鴉胆子

問73 清熱解毒と消癰散結に優れしかも清心、上焦熱を発散できる薬はどれか?
A 板藍根
B 連翹
C 土茯苓
D 牛蒡子
E 射干
[解答]B
 連翹は金銀花と効能が似ていてる。相須で配合される(銀翹散、銀翹白虎湯)。
清熱解毒では衛分、気分、営分、血分どの段階でも用いることができる。衛分では清熱解毒作用+疏散風熱作用、気分では清熱解毒作用+清心熱作用、営血分では清熱解毒作用。
連翹は心経に入るので清心熱、瘡癰腫痛に優れている(心経の熱毒熾盛と熾盛は関係がある)
金銀花と連翹の比較
◎疏散風熱作用:金銀花>連翹 (花類は疏散表邪作用が強い)
◎温熱病心経熱毒熾盛、瘡癰腫痛:連翹のほうが適している。清宮湯(連翹は入っているが金銀花は入っていない)

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金銀花には清暑熱作用あり。連翹はない作用。
 
問74 咽喉腫痛の治療に優れしかも痰飲咳喘を治療する薬はどれか?
A 射干
B 山梔子
C 赤芍
D 大青葉
E 連翹
[解答] A
A~Eまですべて清熱解毒作用はある。射干の効能は清熱解毒(咽喉腫痛)、祛痰利咽(痰盛の咳喘証)。(射干麻黄湯

問75 清熱解毒、涼血止痢の効能を有する薬がどれか?
A 蒲公英
B 白頭翁
C 射干
D 魚腥草
E 連翹
[解答]B
白頭翁の効能は清熱解毒、涼血止痢。痢疾治療の優良な薬物である。痢疾の便血に対して用いられる。その他の血熱証には用いられない。⇒問76

問77 蒲公英が適用できない証はどれか?
A 熱淋
B 黄疸
C 乳癰
D 腸癰
E 脾虚便溏
[解答]E
 蒲公英は魚腥草と同じで内癰、外癰に対して内用、外用できる。特に乳癰に対して用いられる。乳房=足陽陰胃経、乳頭=足厥陰肝経。蒲公英の帰経は肝胃経である。
 清利湿熱作用があり湿熱黄疸、淋証に用いられる。過量に用いると緩瀉する。

問78 大青葉、板藍根の両方が持つ効能はどれか?
A 清熱息風止痙
B 清熱解毒涼血
C 清熱燥湿消瘡
D 清熱散結利咽
E 清熱明目退翳
[解答]B
 アブラナ科ホソバタイセイの葉が大青葉、根が板藍根。大青葉、板藍根は効能は類似。
板藍根は温熱病の各段階と風熱感冒で用いることができる。ただし金銀花、連翹とは異なり疏散風熱作用はない。利咽喉に優れている。
風熱感冒、衛分、気分では咽喉紅腫疼痛がでるので牛蒡子などと配合する。営分、血分では清熱解毒、涼血消斑として作用する。
利咽喉は板藍根、涼血消斑は大青葉が強い。

問79 殺虫、清熱解毒の効能をもつ薬はどれか?
A 鶴草芽
B 雷丸
C 苦楝皮
D 檳榔
E 貫衆
[解答]E
 貫衆は以前は駆虫薬であったが、現代薬理の研究結果から比較的強い抗ウィルス作用があることがわかり現在は清熱解毒薬に分類され、風熱感冒、温熱病の各段階に用いられてる。涼血止血ができ温熱病営血熱のほかに雑病中の熱邪妄行による出血にも用いる。子宮に対して強い収縮性があるので婦人科領域の出血(崩漏、月経過多、産後出血)に特に適している。
殺虫とは腸管の寄生虫のことを指す。

問80 清熱解毒、排膿、利尿の効能を持つ薬はどれか?
A 魚腥草
B 白鮮皮
C 敗醤草
D 猪苓
E 沢瀉
[解答]A
 魚腥草も熱毒瘡癰に用いられる(内服、外用)。特に清肺熱に優れ肺癰で膿痰を咳吐する症候に用いられる(排膿)。
利尿作用があり湿熱病証に用いられる。(特に湿熱淋証)
芳香性があり新鮮品を用いる。

問81 梅毒湿瘡
[解答]土茯苓
 梅毒治療や治療に用いた水銀剤中毒の肢体拘攣に用いた。現在では梅毒治療には用いられない。日本では山に捨てられた梅毒患者が土茯苓で治ったので山帰来(サンキライ)と呼ばれた。