松江堂薬局の漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

怒りっぽい 落語「小言幸兵衛」

「肝気鬱結」という状態が続くとどうなるでしょうか?

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怒りすぎは体によくありません

「肝火上炎」という状態に一歩上がります。気は流れることができずにやがて逆流しはじめやがては炎上するのです。ちょうどガス管が爆発するのに似ています。こうなると感情を抑えることができずにイライラ神経質になり人の粗が目についてしようがなくなります。女性の生理の前にも同じような症状がでますね。
 小さなことでも気に障ってしょうがない。一言言わないと気がすみません。肝気鬱結は理屈やがなりやすく自分の理に沿わないことがあると気は流れなくなります。ゆえにこの「一言」は誠に理論的です。
 家主の幸兵衛さんの小言も、こうだからこうなる、と、ちゃんと話の筋が通っているんです。是非幸兵衛さんの小言を聞いてみてください。

六代目三遊亭圓生 小言幸兵衛

 しかししょっちゅう小言を言っていては自分の体に障ります。金元代の名医、張子和のカルテにこんなのがあります。
ある役人の奥さんは怒りやすくしょっちゅう使用人に小言を言っていましたが、ついに食欲がまったくなくなって衰弱してしまいました。いろいろな医者が診ましたが治りません。最後に張子和が呼ばれて診察に当たることになりました。
 五行の相克理論から考えれば肝臓は木、脾臓は土です。木剋土の関係ですが、肝気鬱結が長引き木乗土。脾臓が剋されてしまい食欲がなくなってしまったのです。張先生は女芸人を二人呼び派手な化粧をさせ夫人の前で相撲を取らせました。その様子を見た夫人はおかしくてたまりません。次にこの芸人たちに夫人の前で食事をさせました。礼儀も知らない芸人ですので料理をムシャムシャ食べます。それを見た夫人はおかしくてゲラゲラ笑いだし気が付くと自分もお腹がすいて食欲がもとに戻りました。

 張先生は肝臓を剋する心臓(火)、(五志では喜)を刺激して夫人の火剋木の理論で肝臓の火を鎮めたのでした。
肝気鬱結、肝火上炎は決して体にはよくありません。火は上に燃え上がり眩暈や耳鳴り、不眠、高血圧へと進んでいきます。なりやすい人は精神的な養生が必要なのです。精神的な養生についてはまた書きます。


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