松江堂薬局の漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

眠れないのをなんとかしたい! イスクラ産業 晶三仙

焦三仙の話

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「第4回 スピリチャルの好きな心理臨床家の会」ではイスクラ産業様のご厚意で受講者に「晶三仙」サンプルをプレゼントして頂けることになりました。
晶三仙はイスクラの商品名で本当は「焦三仙」と言います。胃にもたれやすい漢方薬や食べ物で「食滞」が起きた時に用いる消導薬ですが、今回は心理臨床家の皆様の集まりですから、精神科領域での解釈をしてみたいと思います。
 
焦三仙は不眠で用いることができる漢方薬です。不眠の原因は様々なのですが、「胃気不和」による夜臥不安があります。

「胃気不和則夜臥不安」。《素問・逆調論》

 
胃気不和とは胃がスッキリしない状態のことで、多くの方が経験する寝る前に食事をしてしまい胃が苦しくて眠れなくなるということです。その時に「焦三仙」を使えば消化が促進されて眠れるということですね。今はゼパム系薬物による副作用が問題になっており迂闊に眠剤を使えない状態です。できれば漢方薬を使って不眠治療ができればと思います。

「焦三仙」は食べ過ぎで胃がもたれた時の不眠に使えますので、そのようなときには服用してみてください・・・。



ということで話を終えるのは、まったく面白くありません。
もう少し考察をしていきましょう。

もともと「焦三仙」とは三種類の生薬を焦がした薬剤です。三種類とは山査子、麦芽、六神曲です。山査子はバラ科ミサンガの成熟果実で甘酸っぱく、脂っこい肉の消化を促進する働きがあります。現代薬理では脂質、血圧を下げる作用が確認されています。麦芽はデンプン性の植物の消化を促進します。六神曲は小麦を六種類の薬物と混合して発酵させたものです。

これらには消化酵素が含まれているので、そのために消化が促進されるのだろうと考えがちですが、「?」なのはこれらを焦げるまで炒めるという加工法です。もし消化酵素の働きを期待するなら生のほうがいいはずです。熱で酵素活性は減弱してしまいます。

肉を消化させる作用のある山査子は多分胆汁の分泌を促す作用もあるのだと思います。中医学では胆は決断の臓器、精神を安定させる働きのある臓腑です。多分山査子は胆囊の気の流れをスムーズにして精神状態を安定させることができるのではないでしょうか?

よく夜中の2時、3時になると起きてしまうとかこの時間帯までは眠れないという人がいます。この時間は胆に気血が巡る時間帯です。
たぶんそういう方は胆の状態がよくないのだと思うのです。

たんにお腹が苦しいので眠れないから「焦三仙」を飲むのではなく、寝る前には飲んでおくといいかもしれません。酵素活性をおさえられた「焦三仙」は消化器の活性化をして働きがよくなるのでしょう。肥満の漢方相談の患者さんには寝る前に2包飲んでもらっていますが効果はあります。これは消化薬ではできない効果です。

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山査子  麦芽  六神曲
matsuedo.hatenablog.com

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