松江堂薬局の漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

昨日のスピリチュアルの会(霊会)(こころと漢方)

昨日の第4回スピリチュアルの好きな心理臨床家の会

次回から霊会に名称変更されるそうです。

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心理臨床と中国医学

おかげさまで定員に達し多くの皆さまが天気が定まらないのにもかかわらずご参加くださいました。

僕の演題は「心理臨床と中国医学」ということでしたが、そのなかで「移情易性」についてお話をしました。

治療者がクライアントさんの病気に対する注意力を分散させて意識の焦点を別のところへ移し変えるさせる心理療法です。
今回は僧侶の方々の参加も多かったのですが仏教の法話にもそうした力があると僕は思います。日本の仏教界は是非法話に力をいれてもらいたいです。

心志を自ら変え改めて、薬の助けを得るならば九死に一生を得る 《本草衍義》宋

具体的には、クライアントの症状、心理状態、生活環境、条件などにより方法、手段を選択して弾力的に応用していきます。

琴を弾き書を読む楽しみを求めて、自らの神性を養う 《北史 崔光伝》唐

七情が引き起こす病は、花を観賞して鬱悶を解除し、楽曲を聴いて憂愁を消すことができる。これは薬を服用するよりも勝る《理瀹駢文》清

音楽を鑑賞することが人間の感情に影響を与えて情志を転移させることは昔から知られていました。『楽記・楽言』には音楽が人間の感情に与える影響について書いています。これはブログで音楽療法について書いておきますのでご覧ください。

また演劇、舞踏、書道、絵画、彫刻、植木、釣りなども人間の精神を調和させていきます。

怒りを抑えるには詩をたしなむに越したことはなく、憂を去るのは音楽をたしなむのに越したことはない《管子・内業篇》

岳陽楼の雄大な景色と洞庭湖の千変万化する空模様を描き、小春日和の暖かい日に楼に登って遠くを眺めれば、心は広々として気持ちがさわやかとなり、感情も和らいで志がのびのびとなる。《岳陽楼記》

これらは人間の情志を転移させてわずらわしさを除去する、治療者自身も取り入れるとよい自己調節療法です。

古代の文人たちは自身の心の状態を書や詩などで移情しています。

顔真卿の「祭姪文稿」は甥が敵に無残に殺されてしまい、その法要のために書いた書ですが、途中から感情が高まり書体が乱れ間違いの訂正が多くなっています。

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顔真卿の「祭姪文稿」

王維は重陽節を家族とともに過ごせない悲しさを詩で書いています。

九月九日山東の兄弟を憶う
独り異郷に在って異客と為り
佳節に逢う毎に倍ます親を思う
遥かに知る兄弟高きに登る処
遍く茱萸を挿して一人を少くを  「九月九日山東の兄弟を憶う」

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王維 17歳の時 科挙試験のため一人長安にいました。

多くのクライアントさんの凝り固まってしまった意識を分散させることでクライアントさんは心が楽になっていくと思います。

今回は僕もテーマを与えられて中医心理学を深く勉強するきっかけになりました。参加された臨床心理士の方々には中医学を知ってもらうことができました。また薬ありきであった薬剤師の方々には心理療法の重要性を理解していただけました。(参加者の感想から)

でも教え子の殆どが来なかったのはどうしたことか? 教え子なんて可愛がってもしょうがないですね。(僕の感想)

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