松江堂薬局の漢方でなんとかしたい!

中医学講師30年。漢方や中華圏の文化とか書きます。

落語「天狗裁き」と夢をよく見る⇒不登校へ (こころと漢方)

陰陽睡夢論 再び

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戦国時代の思想家で道教の始祖の一人、荘子(荘周)の有名な説話に「胡蝶の夢」があります。

[原文]
昔者莊周夢爲胡蝶。栩栩然胡蝶也。
自喩適志與。不知周也。俄然覺、則蘧蘧然周也。
不知、周之夢爲胡蝶與、胡蝶之夢爲周與。
周與胡蝶、則必有分矣。此之謂物化。

[訳文]
以前のこと、わたし荘周は夢の中で胡蝶となった。喜々として胡蝶になりきっていた。
自分でも楽しくて心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。荘周であることは全く念頭になかった。はっと目が覚めると、これはしたり、荘周ではないか。
ところで、荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、自分は実は胡蝶であって、いま夢を見て荘周となっているのか、いずれが本当か私にはわからない。
荘周と胡蝶とには確かに、形の上では区別があるはずだ。しかし主体としての自分には変わりは無く、これが物の変化というものである。

中国古代の人は夢は睡眠中に起こる特殊な心理活動と認識していました。「寐而有覚也」
人間は毎晩1時間から2時間、夢を見ており、人間の一生の十分の一は夢の中で過ごしていることになります。
睡眠と同様夢は心身の健康活動に重要な影響を持っています。

中医学の睡眠のメカニズムは「陽」から「陰」への変化移動です。起きているときが「陽」で寝ているときが「陰」です。陽から陰へスムーズに変化すれば眠れますが、変化できなければなかなか寝付かれなということになります。

ところがもっと詳しく見ると、寝ている間の「陰」の支配する時間帯でも、小さくなった「陽」はその中で大きくなったり小さくなったりしています。

寝入りは陽はストーンと小さくなり眠りにつけますが、しばらくすると陽は再び大きくなります。この時が夢を見ているときです。しばらくするとまた陽は小さくなり眠りは深くなります。このサイクルを寝ている間に4回繰り返します。これは生理学のレム睡眠、ノンレム睡眠と同じ考えです。

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陰陽の変化と同じです

身体が健康であれば寝ている間の陰陽変化は順調で深く眠れます。しかし臓腑に異常があれば変化は順調ではなく陽は小さくなれず夢が多くなり深く眠れません。

若者は昼精(くわし)くて夜冥(ねむ)る。老人は昼精からず、夜冥らず。若い人は気血が充実し筋肉が豊満で陽から陰への変化が滞りがないので夜はグッスリ眠れ朝は精力が旺盛である。お年寄りは気血が不足して筋肉が痩せてしまい気道が渋滞して陽から陰への変化がしにくいので夜はすぐには眠れず睡眠は浅くなる。そのため昼は意識がはっきりせず昼でも眠たがる。《霊枢・営衛生会篇》

夢はいろいろな角度から考察ができます。

夢筆生花=夢の中で上手に花を描いた。多くの著名な学者や発明家が夢の中で啓示されて難問を解決しています。

淫邪発夢=邪気に犯されて夢をみる。例えば肺病の患者さんは胸に圧迫を受けるような夢を見る。狭心症の患者さんは追われて助けを求めても声が出ない夢を見る。狭心症の発作が起こるときは絞首台の上に送られる夢を見る。

悪夢兆病=悪夢は病気の前兆である。なんらかの病気の前兆である場合がある。


不登校のお子さんは夜ゲームのし過ぎで陽から陰への移動がスムーズにいきません。

寝ていても陽が小さくなれず夢が多くて(覚えていない場合もあります)朝の陽の立ち上がりがうまくいかず起きられません。遅刻が多くなります。授業にも頭がぼーっとしてついていけません。この延長線上に不登校があります。

欠席がおおくなると内申点の問題があり、高校への進級が難しくなるのでよくお母さんと相談に来られることが多いです。睡眠のリズム、陰陽のリズムを整える、臓腑の働きを整えることから手を付けていきます。

僕は起きるときは自分の中の陽が上がってくるまで待ちます。だんだん頭がはっきりしてくるときです。陽が上る前に起きると気分がわるいです。
www.kameido-kanpo.com
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夢がでてくる落語では天狗さばきが有名ですね。


落語 天狗裁き 桂米朝



50年前のバラエティ「夢であいましょう」

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