汗は心の液
暑い夏に汗をかくのは生理現象なのですが、中医学では「汗は心の液」といっています。汗をかかせるためには血液の循環を早くしなければならず心臓には負担がかかります。
血液中の水分は汗として外に排出されてしまうため血液の粘性は上がり、流れが悪くなるため、さらに心臓に負担がかかります。
「汗をかくから水分の補給はまめに」ということは確かに大事ですが、心臓に持病がある人(狭心症や心肥大)、肥満などで心臓に負担がもともとかかっている人はそれ以上に心臓のことを注意したほうがいいです。
汗が止まらず、息苦しい、脱力感、下肢のむくみがあれば心臓にかなり負担がかかっているシグナルです。
中国に「生脈飲」というドリンク剤があり、街の薬局では「夏バテ解消」に売っていますが、同じ成分の注射剤が病院にあり「心肺機能」を改善するため点滴されています。
いろいろな角度から使える処方です。僕が方剤学を勉強していた頃には李東垣の処方として習いましたが、実は張元素の処方だとわかりました。ふたりとも金元代の名医ですが、李東垣に医学を教えたのが張元素なのですね。
人参・麦門・五味子からなる単純な組成ですがその名の通り心臓を強め血管(脈)を生みます。
日本でも手に入る薬です。僕は夏は汗がポタポタ止まらなくなるので、血管の血の流れをよくする「血府逐瘀丸」とともに飲んで心臓をケアしています。

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