認知症
昔、中医学の認知症治療についての講義を漢方メーカーに依頼されて、中国の中医病院での痴呆症治療の論文を調べたことがあります。
基本的な方法はどの病院も「活血薬+補腎薬」でした。
中医学では腎には精という生命エネルギー源が蓄えられており、精は髄を生み出し骨髄、脊髄、脳髄に分布され脳を営養している、と考えていました。
また脳の働きは、王清任は脳は霊機(インスピレーション)、記性(記憶力)は脳にありと言っています。
年齢とともに精は減少していき、脳に営養は行き渡らなくなり、脳の働きは衰えます。これが加齢による健忘や認知力低下になります。
現代医学では脳血管障害、アルツでも脳の血流を改善することをしていきます。
中国では伝統的な中国医学の考え方と現代医学的な考え方を結合して「活血薬+補腎薬」という治療方法を考えたのだと思います。
活血薬としては丹参、紅花などが使われます。現代医学的な使い方です。
補腎薬は中医学の考え方により腎の状態によって選択を考えなければなりません。
前のブログでも書きましたが、腎の陰がぬけてから陽がぬけます。
www.kameido-kanpo.com
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腎陰がぬけていくと腎陽はふらふらと頭に上がっていきます。そのため
脚は力が入らないで、頭はのぼせたり、揺れたり、口がもとらなくなったりします。
こうした証の中に認知症、パーキンソン病が認められることがあります。
いろいろな補腎剤があるのですが、上に上がった陽気を元に戻す作用のある処方を選ばなければなりません。
地黄飲子はもともと脳梗塞による音非(二字とも病ダレ)証(舌がこわばる、言語障害)に使われていた処方ですが
作用から、上のような証の認知症に使うことができます。
88歳の婦人ですが、同じことを何回も聞く、夜中に起きて家族を起こす、健忘などがあったのですが地黄飲子で回数が
かなり減ってきました。また歩き方がしっかりしてきました。
健身球
日中友好病院の中庭で脳梗塞の患者さんがよくをしていました。レーガン元大統領が認知症で中国から健身球を贈られていました。
手のひらで2つの球を回すことで、手のツボが刺激され脳を活性化します、球が合わさることによる音が耳から入るり健脳の効果もあります。はじめはうまく回せませんが練習していると手のひらでくるくる回せるようになります。認知症の予防にいいです。

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